=== 大学院生の教育と指導 ===

理論物理学講座(素粒子論研究室)では、責任感のある社会人(物理学を人類の平和と豊かさを脅かすためにではなく、人類の平和と豊かさのためにもっともっと役立だせることができる人を育てようと努力しています。

内容


修士(博士前期課程)の指導

理論物理学講座(素粒子論研究室)の修士課程(2年間)の大学院生には、次のような教育・指導を行っています。修士課程の修了後、博士後期課程に進学する学生と就職する学生に分れます。

一年次には、講義とゼミで素粒子論の研究に欠くことのできない理論的基礎教育を行います。場の理論、群論、素粒子論、ハドロン物理学等の講義又はゼミが定期的に開講されます。


2015年度修士1年次(M1)カリキュラム


前期
講義・ゼミ名 使用テキスト 担当教官 担当曜日
ゼミ 場の量子論 Peskin 石渡
素粒子論 Chen-Li 久保
講義
理論物理学基礎 久保  


後期
講義・ゼミ名 使用テキスト 担当教官 担当曜日
ゼミ 場の量子論 Peskin 石渡
素粒子論 Chen-Li 久保



これらの講義・ゼミに加えて他の大学や研究機関から招いた外部講師による集中講義があり、当研究室スタッフでカバーできない部分を補っています。今年は、次のような集中講義を計画しています。

集中講義
講義名 担当教官 開講時期
ハドロンコライダー実験の最先端 中村 浩二 前期
後期
なお、この他にも適宜、特別講義が開講されますので受講してもらいます。




修士2年次への進級

学習状況を把握する為に、年2回場の理論・群論等の試験をし、一年次の年度末に面接を行い進路指導をします。各研究グループへの配属は、学習状況に合わせ、一年次後期後半ごろから二年次前期前半に行っています。

  • 博士課程進学希望者
    博士課程進学後も十分やっていけると判断できる学生には、研究グループへ配属の上、各グループ独自のカリキュラムも平行して学習するよう指導しています。
  • 就職希望者
    就職希望者で十分な修得度に達していると判断される学生については、研究グループへ配属の上、夏までは研究と就職活動を平行して行ってもらい、就職決定後は研究に専念するよう指導しています。


修士論文

2007年度は以下のような題名の修士論文が書かれています。

  • 拡張されたGMSBのLHCでの検証可能性
  • 直積群の大統一理論とアクシオン模型
  • CPの破れと素粒子の電気双極子モーメント


進路状況

この10年間で、理論物理学講座所属の院生78名が卒業していきました(2005年3月現在)。以下が進路状況です。当研究室の卒業生は、色々な方向に進み物理学で学んだことを活かしています。

  • 研究・教育職 16名
  • 進学 2名
  • 民間企業 36名
  • 公務員 5名
  • その他 19名



博士後期課程の指導

若手研究者が育つ最後の教育課程で、少なくとも3年間続きます。博士後期課程の歴史はまだそれほどありませんが(20年程)、当研究室からもうすでに何人もの優秀な若手研究者が育っていきました。現在、彼らは世界の研究施設で活躍しています。活発な学生には、研究会や研究集会への参加のための補助を出しています。海外にある各種スクールへの参加も援助しています。


博士論文

現在以下のような博士論文が書かれています。

  • Higgs及びスカラー場に関する微調整問題とその解消する機構についての考察
  • ドメインウォールくりこみ群による2次元スピン系の解析
  • ゲージに依存しないモノポールダイナミクスの研究